糖質啣限プラス地中海食のハイブリッド

外食で糖質制限を実践する際、気の置けない街の居酒屋を並んで便利なのが、本格的なフレンチやイタリアンのレストランである。

この二つに共通するのは、オリーブオイルをたっぷりと使用する地中海食であることだ。

米国糖尿病学会(ADA)の糖尿病食事療法の選択肢として、従来の①カロリー制限食(高糖質食・糖質60%)の他に、オリーブオイルを豊富に使った②地中海食が挙げられている。そして、糖質のグラム数を患者の症状に応じて計算し、必要量を摂取する③糖質管理食と低糖質食を食べる④糖質制限食の4つが推奨されている。

地中海料理には、魚介を使ったメニューが豊富にあり、糖質制限食とハイブリッドで組み合わせれば、食事の際のバリエーションがより豊かになる。

まずフレンチの場合、パンと最後のデザートを除けば基本的に問題はない。ただ、小麦粉を沢山使ったパイ類やホワイトソースのシチューなどのメニューは避けたいところだ。

フランス料理の場合、食べる順番もオードブルに始まり、サラダ、スープ、肉料理か魚料理、あるいはその両方という順番で出てくるので血糖値の上昇も抑えられる。この間、パンが横に置かれるが、これは本来、料理と料理の合い間に口の中をサッパリさせるために食べるのが目的であり、パンを主食として食べるためではない。出来るだけ、料理をメインに食べるのが原則だ。

イタリアンは更にやりやすい。前菜を取り、パスタ類を除いて、第一皿、第二皿と進んでいけばいいからだ。イタリアンの場合、魚介類に和食より工夫をこらしたメニューが豊富なのも嬉しいところである。もちろん肉類も牛肉のビステッカなど美味しい料理が沢山ある。パスタ、ピザ、米料理などは糖質制限的にはNGだが、最近大豆粉やグルテン粉などを使ったパスタやパンなどを出す糖質制限食対応のイタリアンレストランが出て来だのは嬉しい限りだ。

糖質制限外食先進地の京都には、コンニャク米で作ったパエリアやピザを出すスペイン料理店まで登場し、人気を集めている。

これらの料理は共に赤ワインが楽しめる。赤ワインに含まれる成分、レスベラトロールは動脈硬化を予防する作用があり、赤ワインを日常的に飲むフランスでは、心筋梗塞の患者が少ないため、「フレンチーパラドックス」と呼ばれていることはよく知られている。

これは、赤ワインの日常的な摂取の他に、牛や豚の内臓料理もよく食べることが原因ではないかと言われる。こうしたフランス料理の栄養学的に良い点は、是非、糖質制限食を継続する際のバリエーションの一つとして加えたい。

またフレンチやイタリアンは、オリーブオイルを積極的に摂り、リノール酸を減らすことにも役立つ。更に魚介類を食べることで、EPAやDHAも摂取できるのも利点だ。オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸が多く含まれており、動脈硬化によい。またEPAとDHAも血流を良くし脳代謝を活性化させる働きがある。

よく知られているように、日本では一時、植物油が体に良く、動物性のものは身体に悪いと言われて、大豆油、コーン油、紅花油などを人々は積極的に摂るようになった。

ところが摂り過ぎても健康に良くない。最近、心筋梗塞や脳梗塞、アレルギーや炎症の原因になっていると指摘されているのがリノール酸だ。リノール酸は、人間の体内で合成できないため、食物から摂るが、1日1~2gが限度なのに、最近では1日に20グラムまで摂収しているといわれ、その摂り過ぎが問題となっている。一方でEPA、DHAの摂収は不足しており、それを解決するのが、糖質制限プラス地中海食の組み合わせである。