ダイエット中は気の利いた小料理屋も便利

肉料理の中でも脂肪燃焼効果が最も期待できるのが牛肉である。塩であっさりと焼いたステーキ、身体を温める効果のある青ネギを巻いた牛肉巻きなど、肉と野菜を共に味わえるメニューを優先的に注文するといい。肉はミディアムレアの赤身肉がお勧めだ。

現代人の多くは、糖質や悪い油を摂り過ぎる反面、タンパク質、ビタミン、ミネラルが圧倒的に不足している。健康に気を遣ったヘルシーな食事というと野菜を豊富に食べている方が多いようだが、野菜中心とこだわるあまりタンパク質不足に陥らぬよう心掛けなければならない。

タンパク質は身体全体の組織の主成分となる栄養素で、1日に体重1キロ当たり、約1~1.5g必要と言われている。つまり体重50キロの人なら50~70グラム必要となる。牛肉100グラムを食べても料理での損失も含まれるため、摂取できるタンパク質は8グラム。生卵1個で6.5グラムしかない。健康人の食事では、牛肉、アジ、豆腐、大豆、卵、大豆、卵、牛乳などを中心に1日20余Jグラム摂っているが、これでもまだ少ない。

最近ではタンパク質の摂り過ぎも寿命にマイナスになるとの指摘もあるが、まだまだ日本人の食事にはタンパク質が不足しているのである。

食事によって摂られたタンパク質は、体内でアミノ酸によって分解され、血液を通して全身に運ばれる。脳内にも「L-トリプトファン」など様々な形で届き、化学変化を繰り返しか後、ドーパミン、セロトニン、GABAなどの神経伝達物質が作られ、感情や行動、性格が決まると言われている。

中でもドーパミンは、適度にあれば元気も出て代謝も上がり、達成感、充実感も高まるが不足するとふさぎ込みがちになり、怠惰になり、代謝も落ちて太りやすくなる。

またセロトニンは、不足するとうつの原因になるといわれ、肉や魚、大豆、アーモンドなどに含まれている。更にGABAは、玄米や小麦胚芽、漬物やキムチなどの発酵食品にも多く含まれている。

私達の身体にある脳、血液、内臓、骨、筋肉は、食べ物に含まれている栄養素から含まれており、中でもタンパク質は最も重要な栄養素のひとつである。このタンパク質を豊富に摂る一方、摂取するカロリーを出来るだけ抑える。すなわち「高タンパク、低カロリー」、そして血糖値の乱高下を防ぐために、「糖質制限」しか食事を摂る。加えて、不足しがちな食物繊維を補給するため野菜を豊富に摂る。こうした「ペストミックス」の食事を摂るには、夜、それも夕方早目の居酒屋での食事が欠かせないのだ。

このように、栄養素の組み合わせと量を上手に使うことによって、栄養学的な作用を起こさせるのが、正しい食生活のスキルである。

但し、重要なのは、1、2回の食事では潜在的な栄養不足はなかなか改善されないということである。ある程度、同じパターンで足りない栄養補給を続けていると、個体差によりある一定の数値を超えた時点でようやく明確な反応が出てくる。私か初期の糖質制限食を始め、約1週間から10日目で突如、メインスイッチが入ったように感じたのもまさに、ひとつの食生活パターンを一定期間持続していったために、ある時を境にその効果が出始めたのだ。

グループでワイワイガヤガヤと騷いで飲み食いする居酒屋は、会社の同僚や業界関係者を集めた宴席も多いビジネスマン向きかもしれない。その点、担当編集者と打ち合せしたり、取材で利用するぐらいしか飲食する機会のない物書き稼業の私は、むしろ一人で入れるカウンター割烹か気の利いた小料理屋の方が使い易い。糖質制限関連の取材でよく出かける京都には、こうした気の利いたカウンター割烹や小料理屋、軽食も食べられる粋なバーが数多くあり、馴染みの店もいくつか見つけた。東京では、銀座か神田か新橋、赤坂あたりに、それぞれ1・2軒見つけて、これを常連にしている。糖質制限を続けながら、正しい栄養補給が出来る親切な居酒屋か気の利いた小料理屋を選んで通い、店の主人とも糖質制限に関する理解を共有できる。そんな店を見つけておくといいだろう。